OQTA

再びコタンへ

 

タナカとの再開

 
日本に戻って3ヶ月が経った1月の終わり、再びネパールに向かう。
カトマンズで数日滞在したホテルは、
バグワティという有名な寺院の近くにあった。
夜に通訳のサビタと一緒にバグワティのあるダルバール広場に行く。
大きなピラミッドのような建物の寺院があり、たくさんの巡礼者たちがその周りをぐるぐると回っている。
真っ暗な中、あちこちでロウソクの灯りが揺れている。
サビタに聞くと、
もしも、世の中が暗闇に包まれても、
この灯りがいつまでも私たちみんなを照らしますように。
そう願いながら火を灯すのだという。
「自分のお願い事ではなく、世界のために祈るってステキだねぇ」
そうサビタに伝えると
「みんな繋がってるから、一緒のことです」
流暢な日本語で、にこにこ笑いながらそう言っていた。

4日目、コタンに向かう。
片道10時間以上の道のりを激しく揺られながら。
すっかり慣れてしまった私は、道中ほとんど爆睡してしまった。
人のたくましさって、素晴らしい。
コタンに近づくに着れて、前回とは違うワクワクした気持ちが生まれていることに気がついた。
今回のこのワクワクした気持ちは、
実家に帰る時のものと似ているように思う。
新しいものへの期待や好奇心ではなく、
待っている人、会いたい人がいるところに向かう、もっとあたたかくてやわらかい感じ。
もうすぐタナカにまた会える。
タナカが笑っている顔が頭に浮かぶ。
 
 
コタンに到着したのは夕方近くで、学校を訪れたのは翌日の朝。
登校してきた子どもたちに挨拶をしながら、私はタナカの教室を覗きたくてうずうずする。
教室を覗くと、真っ先に目がタナカをとらえる。
私自身に子供はいないけど、姪っ子に対する感情にとても似ている。
3ヶ月前までは会ったこともなかったのに。
すっかり、家族みたい。
 

>>第0回「OQTA ネパールプロジェクト」

>>第1回「新しい支援のカタチとは?」

>>第2回「雲の上の学校」

>>第3回「はじめての訪問1」

>>第4回「はじめての訪問2」

>>第5回「タナカ」

>>第6回「音を送るということ」

>>第8回「タナカの夢」

>>第9回「変化のはじまり」

>>第10回「ネパールの神様」

>>第11回「What is education?」

>>第12回「Abinash」

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